December 28, 2006

『虹』 グリング 

結成十周年記念、紀伊国屋ホール。ここの所ずっと主流の、ウェルメイドな会話劇を得意とするグリング。どこにでもありそうで、でも意外な目の付け所で、様々な職業、様々な人間関係を丁寧につづっていく。ちょっとつんのめり気味なテンポのいい台詞回し、主宰(脚本、演出)の青木氏の真骨頂。あと、新劇系の年配の俳優さんをアサインできるのがグリングの強みのひとつ。今回も「円」の井出みな子さんが、いい味をだしていました。

ただ、見終わった後、陶酔感に乏しいのは、もうこの種の芝居ではしょうがないんだよなあ。しかし、この種の芝居のなかでは、もっとも意外な展開でドラマティックサスペンスを感じさせてくれる劇団のひとつだとは思います。

前作の「海賊」がたいそう面白かったらしいので、見逃してちと残念。

終焉後、青木氏&奥様とも歓談できて嬉しかったです。順風満帆のようで旧友としては嬉しい限り。

December 19, 2006

『嘘かもしれないけどオリジナル』 Hula-Hooper

女の子だけのユニットによる女の子のお話。友達のトニーがでるというので半分はご祝儀という感じで、何も考えずに行ったのだけれど、これが結構拾い物でした。

遅れて入ったせいもあり、はじめ、久々の「いかにも芝居っぽいダイアローグ」にちょっとくらっときて、ダメかと思ったのだけれど、意外や意外、しばらく観ているうちに、これはある意味確信犯なのかと思わせられる。脚本がとても丁寧につくられていて、一つ一つの台詞に無理や無駄がないことが、わかってくる。

出演者が若い女の子だけ、しかも、ルックスに抜け出るところがなく、カリスマ美人も怪女もいない、その辺にいそうな、しかもいかにも芝居やってそうな文科系女子ばかりという制約をどう逆手に取るか、結構苦心したんじゃないのか知らん。全員に見せ場があり、それぞれの想いの形を吐露していく羽目になる構成巧み。それぞれの娘を抱きしめたいような気持ちにうっかり、させられてしまう。リアル演劇でなく、シュールな部分も嫌味なくハマっていて上品なおかしみを醸し出していました。初期の「青い鳥」を思い出すといったら褒めすぎか。作演出の団長 菊川朝子、ちょっと次回作も観てみたい。ジュンリーぐらいは軽く超えられる力量ありとみた。

トニーも良かった。トニーの清潔感と鈍重さ(ゴメン)がうまく生かされてて、とても面白かったし、かわいかった。

November 29, 2006

『恋の渦』 ポツドール

本日初日。いやはや、今回は、物議をかもすようなショッキングな演出はなかったものの、期待にはしっかり応えてくれたと思う。好評だった番外公演『女のみち』をきちんと血肉にしている感じ。三浦氏やはり侮れず。今回、どんな内容なのか、一切前情報なしに観ることができたのをラッキーに感じたので、ネタバレは頁を改める。

ただ、前回公演がアレだったので、「ポツドール、面白いのかもしれないけど、エログロなんでしょ? 男の裸とか別に見たくないしなあ…」というので二の足を踏んでいる方には今回は是非足を運んでみて欲しいとだけ。今ならまだ、劇団ホームページより残席予約できます。

12月10日(日)まで、新宿THEATERTOPSにて。

以下ネタバレ有り。

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August 05, 2006

『アクロバティック 白鳥の湖』上海シティダンスカンパニーシリーズ

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「あなたの知らない白鳥」のサブタイトル通り、「こんなのはじめて!」と叫びたくなる、魂を揺さぶる舞台。感動のあまり、しばし放心状態…。本当に本当に素晴らしすぎ。

印象的なポスターで素晴らしいのは予想していましたが、ここまでとは! シルクドソレイユもかすんでしまう主役ふたりの超絶演技。クラシックバレエに造形が深い人であれば、アラもみえるのかもしれませんが、素人目には充分に格調高く優雅なバレエのパは踏襲しながら、ありえない動きが惜しげもなく矢継ぎ早やに投入される衝撃は、筆致に尽くしがたい。 

そこでダイジェスト映像。見て驚け。
http://www.youtube.com/watch?v=wAu3-BUUZKo&feature=PlayList&p=59CF0518288D4733&index=0

見ましたか? 「手乗り白鳥」のアラベスクですよ? ナマで見ても信じられない…(笑)

「4匹の蛙の踊り」など、コミカルなシーンも適度に織り込まれ、エンターテイメント性も高く、微妙にキッチュな美術や衣装も、過度に中華風になったり、下品になったりせずに不思議にマッチしていて、全てにおいてスタンディングオベーションにふさわしい舞台でした。5回ぐらいカーテンコールしてたけど、皆立ち上がって頭上で拍手。ああ、本当に観られて幸せ。素晴らしく良い席を取ってくれたプリマさんありがとう。ああ、もう一回ぐらい観たい。

『アクロバティック 白鳥の湖』
8月13日(日)まで
Bunkamuraオーチャードホール
8月18日(金)~20日(日)
梅田芸術劇場 メインホール

July 31, 2006

『あわれ彼女は娼婦』 @シアターコクーン

『あわれ彼女は娼婦』って、キャッチーなタイトルだよなあ。三上博史と深津絵里が兄妹近親相姦で悲劇。というのに期待していってきました。深津ちゃん、衣装とても素敵、発声素晴らしく、声で屈託ない処女と罪に堕ちた後を演じ分けることに成功している印象有り。兄ジョバンニ役の三上博史と、夫役のロランゾ役の谷原章介、どちらもうまかったのだけど、この役、入れ替わったほうがいいんじゃないの?というのが一緒に行ったハニとの共通の意見。だって三上ったらどうみても、天使のような成績優秀品行方正の兄が妹に狂うあまり身を持ち崩すっていうか、もとから邪悪(でも色っぽい)にしか見えないんだもん…。あと、三上の衣装は背が低いのを強調していて、どうかと思った。髪形も疑問。役が逆なら全て問題ないのに。最後の皆殺しシーンは、さすがに三上の独壇場でしたが。

セットや衣装はシンプルかつ豪華でセンス良く、良くも悪くも蜷川芝居。

July 24, 2006

『脳みそぐちゃぐちゃ人間』 毛皮族

ロマンチカの横町さんが客演ということで、楽しみにしていたのですが、コレが完全に裏目に。ジュンリーああた、ちょっと太ったんじゃないの?その太ももは一体どういうこと?完璧プロポーションの横町氏とは絡めないわよネエ、確かにそれじゃ。ジュリーをリスペクトするのはいいけど、そこ(デブ)は真似しなくていいところだから!と、思わずオカマ丸出しで芝居以外のことをねちねち責めたくなってしまう出来栄え。町田さんの棒読みバカ台詞はハマっていい感じ。澤田さんも存在感○。横町さん相変わらず動きの全てが計算しつくされて美麗。一部の隙もないバーバレラなピンナップガールっぷり。

つまり、悪いのは全部江本氏、という結論。というわけで、とにかく痩せろ。日焼けもしたほうがいいかもしれない。これからは、ジュリーじゃなくて、岩城、反町方向で年食っていかないと辛いぞ。

芝居の良し悪しはそれからだ。

July 20, 2006

『開放弦』 G2プロデュース

本当に、ウェルメイドなしっとり芝居は、一体いつからこんなに主流になったんだろう。脚本は繊細で役者も達者なら演出も巧みで、ほろりと泣かせる人間模様。こんな地味な芝居にこんな手間隙をかけ、しかも満員御礼。ある意味、演劇は円熟時代なのかもしれない。質の高いものをみせてもらった満足感あり。

しかし、長い。長すぎる。そして高い。しかもそのわりにはPARCO劇場のロビーがしょぼい。喫煙所が狭い。どっかで見たことあるよな業界人らしきオジサマ達押し込められて気の毒。

こういうのはなんだ、批判すべきは制作ですかね?

July 13, 2006

『女のみち』ポツドール

ポツドールの面白さは、ドラマ、プラス上演そのものの事件性でなりたっていて、今回は、いつもの主宰三浦氏の作演出ではなく、女性陣主体の作劇ということで、もしそういった部分で甘い演出があれば、物足りなく感じられるだろうなあ、と思ったんですが。良い意味で裏切られたという感じ。エログロ青年団といわれるポツドール(言われてない?うそ。じゃあ私が言う)は、おのれはどこのPTAじゃ、と逆に突っ込みたくなる批判を常に浴び続けているわけですが、今回の作品は、そういった批判は多分浴びないでしょう。エロはエロなんだけど、グロくないから。エロな現場をリアルに描写することで爽やかささえ醸し出すいつもの手法はそのままに、グロさや暴力性をおさえたお話でした。しかし、不思議とのめりこんでしまった。事件性なんかなくっても、充分に面白かった。

安藤さん演じるお局AV女優が花も実もある感じで非常に素晴らしかったです。彼女一人だけ、陰口言わないし、人格攻撃しないんだよね。しかし、仕事に怠慢な態度に対しては厳しい、男前なキャラについつい感情移入。彼女の存在が救いになってる。あくまで救いを用意しない三浦演出のハードボイルドさも良いけれど、ハートウォーミングな彼女の存在感もそれはそれで心地よい、と感じました。なんていうのかな、泣ける感じ。

June 05, 2006

KAKUTA 『ムーンライトコースター』

060604_1910 060604_1932 KAKUTAの浅草花やしき公演『ムーンライトコースター』。

遊園地の公演ということもあり、一人で行くのはちと寂しい。ということで、最近、劇評が縁でお友達になったT氏と。地の利を生かした楽しい公演でした。年配の方などもちらほらいらして、アットホームな感じ。4つのスポットが用意されており、入場後、好きな場所に席を決める時間が30分とられていて、その間を利用して出店で飲食したり、園内を探索。出演者も客に混じって雰囲気を盛り上げます。和風ティンゲルタンゲルという感じ。席を決めて公演が始まると、オムニバスストーリーを演じる役者たちが順番にめぐってきて、座ったままでもすべてのお話を観られる趣向。我々は、和風庭園スポットを選択。結果的に主宰が加わっている一番気に入った話のオチが観られて大正解。それぞれの話、よくまとまっていて、遊園地を舞台にしたちょっとノスタルジックな人間模様。入れ替わりにも全く途切れがなく、すばらしい。

席を取るためのKEEPCONEが用意されていたり、全般的にとてもスムースで親切、ノンストレス。またやるんだったら今度は母を誘ってあげよう!

IQ5000 『STRASER』 GROUND ZERO

腹筋善之助率いるIQ5000の東京公演@笹塚ファクトリー。
やっとやっと、パワーマイムがきちんと稼動しはじめた感じ。初期の頃の惑星ピスタチオはこんな感じだったのかしら。若い人たち生き生きして好感度高かったです。人数を生かした装置?づくりなど、これからが楽しみ。オタクっぽいネタはほとんどなし。ちょっと宮崎アニメ風描写はあったかな。明樂さん、今までノーチェックでしたが、とてもいい役者。JAC出身とのことで身体能力高し。抜けた感じの色気、とても好み。腹筋さんとの息もぴったりで良かった。
それにしても、何が違うんだろう。パワーマイムが立ち上がってくるかこないかって。すごく不思議なのだけれど、訓練だけできていてもだめで、求心力のあるリーダーを全員が信頼しているかどうか、というところが肝心な気がしてしょうがない。
あと女優陣、健闘していましたが、どなたも花形女優まではあと一歩という感じ。今後には期待できそう。

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