『キング・オブ・心中』 マンションマンション
どうしても都合がつかず、ヨーロッパ企画の『Windows5000』を見逃してしまいました。間取り図マニアなのに。なんてこと。で、悔しい気持ちを発散のため舞台美術先行型の芝居作りをするユニットだという、マンションマンションの『キングオブ心中』を観にいきました。でも、あのOFFOFFシアターの狭さで、美術に凝るって言っても限界があるということに、小屋入りして初めて気づく。上手に張り出した町並みの模型は好みのテイスト。
しかし。
装置とか美術とかじゃなくて、この舞台はすごく面白かったのです。一人一人のキャラクターがすばらしく立っていていちいち爆笑。主人公の夫婦。最初、異常に嫉妬深いねちねちしたやつという印象を与える夫ですが、異常なのは妻のほうで、夫は実にまっとうな人であるということがわかってくるおかしみ。妻の普段の普通っぷりと恋に落ちる時の落差、もう最高。「見得を切る」という伝統の演出技法の掘り下げ方に脱帽。型にはまらないってこういうことだよね。ごく普通の地味な人を丁寧に演じる役者たちが突如輝きだす瞬間。そして吹き上げる風。ブワー。これぞセンスオブワンダー。もう、笑いっぱなしでした。あんな狭いところであんなロマンが味わえるなんて。装置というより、演技、演出の勝利。装置を見ているだけで楽しいなんていわれても、役者は浮かばれないよね。本当に久々に、「劇的なるものが見たい」という欲求を満足させてくれる舞台でした。
下北沢 OFFOFFシアターにて4/3(月)まで。


Comments
今日は。
先日のポツドール公演の時に訪れた者です。
偶然ですが私も「キング・オブ・心中」観ました!
あの意味不明なテンションは……、何というか「くだらない」が単なるけなし言葉じゃないことを分からせてくれました。何が起こるか分からない展開の数々だったけど、それで尚且つ一人一人のキャラクターが物語に満遍なく溶け込んでいて、見せ場!もあって。役者があの独特な舞台の中で自分というものを存分に生かせた芝居って感じがします。すっごく面白かったですよねー。
確かに「劇的なるもの」を満喫した芝居でした。
Posted by: バリカン | April 03, 2006 at 10:15 PM
あ!こちらでコメントもらっているのを気づかずに、バリカンさんのブログでコメントしちゃいましたよー。
かわひさんもおっしゃってましたけど、つか芝居的なテンションに観客を巻き込むのはかなりしんどいこと。やるほうも勇気がいると思います。公演期間も短かかったし、見逃して悔しがっている人も多いかも。観ることができてラッキーでしたよね。うふ。
Posted by: 直 | April 04, 2006 at 01:55 PM